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造園・植木職人の一日の流れ|現場の時間が、どこへ消えているか

造園・植木職人の一日の流れ|現場の時間が、どこへ消えているかのアイキャッチ
この記事でわかること
  • 荷台に積む物が、前日の下見をしていないと決まらないこと
  • 門を入ってから出るまでの、半日ぶんの動き方の順番
  • 鋏を置いたあとの掃除が、一日の中でどれだけの長さになるか
  • 切った枝を降ろす先の時間が、その日の終わりを先に決めていること

朝から夕方まで、ずっと木を切っているわけではないと思うのですが、残りの時間で何をしているのかが分かりません

庭木の手入れを頼んだことのある人なら、職人が来て帰るまでの半日を、家の中から眺めたことがあるかもしれません。

音がして、脚立が動いて、いつのまにか静かになって、気づくと門の前で車が動き出している。見えているのは、そのくらいだと思います。

一人で請けていると、その半日の組み立てを決めてくれる人がいません。何時に門を出るかは、行く庭を先に見てあるかどうかで半分決まります。

ここでは、住宅の庭の手入れに入った一日を、朝から片付けの終わりまで順に追います。切る技術ではなく、時間と体の使い方のほうを書きます。

会社に勤めて庭に入っていたときと、いちばん入れ替わるのがそこだからです。

樹木や植栽の様子
目次

荷台に何を積むかは、その庭を一度見てからでないと決まりません

朝いちばんにやるのは、前の晩に積んだ道具をもう一度並べ直すことです。足りない物を足せるのは、この時間だけです。

積む中身は、行く庭によって入れ替わります。松のある家と、生垣だけの家では、載せる道具が半分違います。

高い木があると分かっていれば、三脚の大きいほうを積みます。狭い庭なら、大きい三脚は門から入りません。

庭の道具は、車に載る量が上限になります。一日に使う物を全部積むと、軽トラックの荷台は行きの時点でほぼ埋まります。

だから、見に行っていない家の仕事は、朝の積み込みから迷いが出ます。門の幅、庭までの通路、木の高さを知らないまま道具を選ぶことになります

刃物は前の晩に研いでおきます。切れない鋏で一日握ると、その分は全部手の力に置き換わります。

機械を使う日は、燃料と刃を先に見ます。草の多い家では、途中で刃を替えることを前提に予備を積みます。

熊手や箒を奥へ積むと、掃除に入る夕方に手前の道具を全部降ろすことになります。降ろした物は、そのまま門の外の地面に並びます。

荷台の奥は、帰りに枝を積む場所として空けておきます。行きに詰め込むと、切った枝の置き場が無くなります。

門の前に車を止められない家では、少し離れた場所から道具を抱えて往復します。作業に入る前に、もう一仕事ぶん足が動いています。

樹木や植栽の様子

門を入ってからの半日は、この順で動きます

人が住んでいる家の庭なので、動ける範囲も、音を出せる時間も先に決まっています。断ってから道具を置きます。

STEP
朝 挨拶をして、庭を一周する

家の人に声をかけて、今日触る木と、車を止める場所を確かめます。

そのまま庭を一周して、去年からどこが伸びたかを見ます。ここで、その日の順番を組みます。

STEP
午前 高い木から先に落とす

三脚を据えて、上の枝から順に落としていきます。下から先にやると、あとで落とした枝が仕上げた場所に降ってきます。

上に居る時間が長いので、体力の残っている午前に寄せます。

STEP
昼 荷台の陰に座る

家の中に上がるわけにいかないので、車まで戻ります。荷台の脇か、運転席で足を伸ばします。

座ると、午前に上を向いていた首が下がって、ここで初めて張りに気づきます。

STEP
午後 生垣と低い木を刈る

高さの要らない場所を午後に回します。三脚の上り下りが減るので、疲れてからでも手が動きます。

刈った葉は足元にたまり続けるので、途中で一度だけ大きく寄せます。

STEP
夕方 掃いて、枝を荷台へ積む

切った枝と刈った葉を集めて、荷台に積み上げます。積み方で、載る量が変わります。

最後に、門の外と隣との境を見て回ります。飛んだ葉は、こちらの敷地にはありません。

この順番は、庭の広さが変わっても大きくは崩れません。上から下へ、それから掃いて積む。この形のまま、日数だけが伸び縮みします。

変わるのは、一日にこれを何軒回るかです。木が二、三本の家なら、午前と午後で別の庭に入る日もあります。

上から下へ進めるのは、落とした枝が下の仕上がりを崩すからです。順番を逆にすると、同じ場所を二度掃くことになります。

樹木や植栽の様子

鋏を置いてからのほうが、長くかかります

切り終えた庭は、一度ひどい状態になります。地面が葉と枝で見えなくなり、そこに立っていた形も分からなくなります。

ここから元に戻す作業が始まります。熊手で寄せて、箒で掃いて、隅に入った葉を手で拾います。

砂利の上は、熊手が効きません。かき寄せると石まで動くので、加減しながら葉だけを起こしていきます

植え込みの根元に落ちた分は、手を突っ込んで取ります。そこが残っていると、切った所より先に目につきます。

同じ姿勢で前かがみが続くので、腰は掃除のほうで来ます。上を向いていた午前より、下を向いている夕方のほうが長くなる日があります。

仕上がりの印象は、切った形よりも地面の状態で決まります。同じ剪定でも、掃き残しがあるかどうかで見え方が変わります。

家の人が出てくるのは、たいていこの時間です。掃きながら、来年はこのあたりを詰めましょうという話をします。

隣の敷地に落ちた葉も拾います。断ってから境の向こうに入り、目につく分だけ集めて戻ります。

暗くなってきたからと掃除を切り上げると、次の日の朝に家の人が庭へ出ます。見えるのは、切った形ではなく残った葉のほうです。

水を使わせてもらえる家では、最後に玄関先の石を流します。断ってから使うので、これも先に聞いておく話になります。

樹木や植栽の様子

積んだ枝をどこへ降ろすかで、終わる時間が決まります

門を出た時点で、荷台には切った枝が積み上がっています。これを降ろすまでが、その日の仕事として続いています。

降ろす先には、開いている時間があります。そこに間に合う時刻から逆に数えて、掃除を切り上げる時間が決まります。

持ち込める形や量、受け入れている時間は、施設ごとに違います。通う予定の施設に、軽トラック一台分を持ち込めるかどうかを先に電話で聞いておきます。

長いままでは積めないので、庭で切り分けます。太い幹は短く落として、枝は向きをそろえて重ねます。

この切り分けが、夕方の腕に効いてきます。一日鋏を握ったあとで、鋸を何十回も引くことになります。

降ろす場所では、自分で荷台から下ろします。一日の最後に、その日いちばん重い物を持つ順番になります

空になった荷台を掃いて、やっと道具の手入れに移ります。刃についた樹液は、乾く前に落とすほうが早く済みます。

家に着いてからは、書く仕事です。見に行った庭の見積りを作り、終わった家の写真を並べ、次の約束を書き留めます。

電話も夕方以降に鳴ります。木が折れた、枝が隣に出ている、いつ来られるか。出るか出ないかを、自分で決めることになります。

手を動かした日ほど、机の前で眠くなります。後回しにすると、月の終わりにまとめて来ます。

まとめ

ここで追ったのは、住んでいる家の庭に入った一日です。朝は荷台の並べ直しから始まり、夕方は枝を降ろす場所で終わります。

半日のうち、鋏を握っている時間は思ったほど長くありません。据える、降りる、寄せる、掃く、積む。その間の動きが積み重なります。

ただ、一年がこの形で続くわけではありません。同じ人でも、季節が変われば一日の中身が入れ替わります。

夏は草が主役になります。刈った草は枝より重く、荷台に積む時間のほうが長くなります。暑さで昼の休みが伸びるぶん、終わりも後ろにずれます。

十二月に入ると、同じ庭の手入れでも人の家の予定に合わせて日が詰まります。この記事に書いたのは、そのうちの一日ぶんです。残りの季節がどう並んでいるのかは、一年を通して回り始めてから形が見えてきます。

朝は何時ごろに動き出すことになりますか

人の住んでいる家に入るので、音を出してよい時間から逆に決まります。早く着きすぎても、門の前で待つことになります。

そのぶん、積み込みと移動が朝の早い時間に寄ります。庭に着く前に、もう一時間近く動いている日があります。

昼休みはきちんと取れますか

取る場所を自分で探すことになります。家の中には上がれないので、車の中か、荷台の脇です。

夏は、まず日陰を探します。座って汗が引くまでに時間がかかるので、結果として長くなる日もあります。

一日で終わらない庭は、どうするのですか

途中でやめる形を作ってから帰ります。切りかけの木を残すより、一区画を仕上げて次の日に回すほうが、家の人にも分かりやすくなります。

枝は日をまたいで置けないので、その日の分は毎日降ろします。同じ庭に三日入れば、三回とも荷台は満杯になります。

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